熱帯スイレンってどんな花？

皆さんもご存知のスイレンですが、温帯性と熱帯性の2種類あるって知っていましたか？

たまに「ハス」とも混同されますが、「ハス」は英名でロータス(Lotus)、スイレンはウォーターリリー(Waterlily)と呼ばれます。
温帯性のスイレンは公園の池などで綺麗に咲いているのを見かけますが、こちらの特徴は水面上に花を咲かせるところです。
売られているスイレンの苗を買って池やスイレン鉢に植えても、なかなか花は咲きませんし、たまに咲いても多くの花を見ることは難しいようです。

熱帯スイレンは、水面上から茎を立たせて咲きます。
葉が、立ち葉にもなるところから、鉢物として鑑賞することも出来ます。
また最大の特徴は、日照と栄養を十分に与えてやれば、花を次々に咲かせていくところです。
甘く、清楚な香りのする花は、陽が昇ると開き　日暮れ前には閉じます。
花の形態も、咲き始めと2〜3日してからではまた異なり、眺めていても飽きないものです。

温帯スイレン	熱帯スイレン	ハス

栽培のポイント

熱帯スイレンは、5〜6号ポットに植えこんだ株をプラスチック鉢に入れて出荷しています。
最初の間は、このまま見ていただいて結構なのですが、
やはりスイレン鉢や大きめのプランターに植え替えていただいたほうが株も大きくなり、また花も大きく、本数も上がります。
気温が上がってくる6月下旬頃、大きめのスイレン鉢や、手軽なところではプラスチックの大きなタライなどに植え替えたものは、
見違えるような素晴らしいものになります。

熱帯スイレンは、とにかく日光にあててください。
家の中や日陰では、休眠に入ってしまう恐れがあります。
休眠に入ると大きな葉は出てこなくなり、花も上がらず小さな浮き葉がちょぼちょぼとしか出なくなります。
もしもそうなってしまったら、諦めずに、また良く陽の当たる場所において下さい。
とにかく、日光と温度と肥料。これが熱帯スイレンの原則です。

葉の色が緑から黄緑がかってきたら追肥を与えましょう。
株のまわりに埋め込んでください。
2週間から1ヶ月に1度は追肥が必要です。

株が大きくなっても隠れない大きさの容器なら、中に金魚やメダカを入れてもまた楽しめます。
出来れば、ピンク系、ブルー系の色違いを植えてみると素晴らしいです。

スイレンは、1つの花の期間が4〜5日で、それが終わりかけると次の蕾が上がってきます。
ですから、2株以上植え込むと、リレーのように次々咲いてくるので見事ですね。
夏が過ぎても、11月中旬過ぎまで咲いて楽しめますし、水を絶やさないで冬越し(凍らない程度に)させれば、翌年も楽しめます。

熱帯性スイレンの楽しみ方

スイレンは秋が来たら”もう終わり”というイメージがありませんか？
ところが、この熱帯性香りスイレンは、従来の温帯性スイレンとは全く異なり、
秋になっても開花し続けます。
夏はとても元気があり、その勢いで11月いっぱい開花を楽しむことができるのです。
（暖地においては12月上旬頃まで開花します。）
上手に管理するとワンシーズン（6月〜11月）6ヶ月程で50本以上開花します。

切花として楽しむ

熱帯性スイレンは花茎が長く伸びて開花するので、切花としても楽しむことができます。
朝、つぼみの状態で根元からカットし、コップや一輪ざし小さな花瓶などに生けてください。
花の開花期間は3日〜4日程度ですのでタイミングを見てカットしてください。

室内では窓際など一番明るいところに置いてください。
暗い場所に置くと開花しない場合があります。

コップ等に	一輪挿し、とっくり等

熱帯性スイレンをより長く楽しむ為の重要な３つのポイント

1. たいへん日光を好む植物なので1日中日当たりのよいところに常に水を張った状態で置いて下さい。
   日光が十分に当たらないと株がだんだん弱り、花が咲かなくなってきます。
2. なるべく早めに植え替えを行い、スイレン鉢やプラスチック製のタライ等容積の大きめな器に水を張っていれて下さい。
3. 肥料切れを起こさないようにしてください。葉色が落ちて新葉の展開が悪くなってきます。
   また花立ちも少なくなってきます、そうなったら肥料切れのサインです。すぐに肥料を与えてください。

肥料のやり方・及び量

1リットル程の土の量であれば月に2回ほど1ｇの錠剤タイプを2〜3粒土中に埋め込みます。

（例）スイレンの植え込みで5リットルの用土を使用した場合に10〜15粒程土中に埋め込みます

又、植木用のかん効性肥料（1粒20〜30ｇ）を使用する場合毎月1粒土中に埋め込んでください。併用してもよいかと思います。

いずれにしてもこれはあくまでも目安です。状態、時期に応じて肥料を調整してください。

スイレンの植え替え手順

1. 土作り

   
   赤土、赤玉、田土など粘土質の用土に水を加えてドロ団子ができる程度に練ります。

2. 植え替え

   
   1で作った用土を鉢底に敷き、ポリポットからはずしたスイレンを上におきます。後は周りに用土を詰め込んでいきます。このときに空気が入らないようにきっちりと詰めます。

3. 施肥

   
   肥料は必ず用土の中5cmくらいの深さに押し込んで下さい。肥料が土の上に出てしまうと水に溶けてしまい、水質が悪くなります。追肥の時も同じ要領で行います。

4. 仕上げ

   
   水を張ったスイレン鉢やタライ等に、植え込んだスイレン鉢を静かに入れます。

小さなスイレン鉢を使用する場合

プラ鉢からポリポットを取り出し、ウォーターベース部を切り取ります。

そのまま水を張ったスイレン鉢に入れます。

ベランダなど限られたスペースで楽しむ場合

バケツを利用した方法

ポリポットに切込みを入れます
水を張ったバケツに静かにスイレンを入れます。
水に入れた際、深くなりすぎた場合は、ハーフレンガを下に敷きます。

これで完成です。

いろいろなバケツでお試しください。

大き目のプラ鉢を利用する場合。

プラ鉢を使用する際、下に穴が開いているので、
大き目の買い物袋などを利用し水を張り、余分なビニールの部分を切り取ります。

最後にポリポットに切り込みをいれスイレンを入れます。

これで完成です。

簡易スイレン池の造り方

庭に日当たりのよい適当なスペースがあれば、1時間ほどで簡単に作れます。

枕木を利用した水槽

用意するもの

枕木1m×4本
枕木2m×4本
鎹＜かすがい＞×16個
ビニール(厚さ0.15mm以上、幅180m以上)

まず初めに枕木を組み四隅に鎹を打ち込みます。

次にビニールを敷き、水を8分目まで張ります。

最後に余分なビニールをカットして板を打ち付けます。

そうすることによってビニールの切れ端か見えなくなり自然な感じに見えます。

所要時間約1時間でできます。池のサイズなどは枕木をカットすれば自由にサイズを変えることができます。

レンガを使ったスイレン池

こちらは赤塚植物園さんお勧めのレンガを使ったインスタントスイレン池です。
このほかにもブロックや厚手の板など使っても簡単に作れますぜひチャレンジしてみてください。

また、一番簡単なのは子供用のビニール製プールです。
空気を入れるだけで完成ですしとても簡易的な池として使え、面白いかもしれません。



※上記内容は鳴戸川園芸さんの許可を得て、千葉県水生植物研究会のホームページより引用させていただいております。